これからの時代に。
カテゴリ:豊造のひとり言
帰りのダンプでは携帯音楽で「夏の終わりのハーモニー」を聞いて少し涼しくなった風に
寂しさを感じるこの頃です。
徐々に空も高くなりました。
「天高く細江肥ゆる秋」
にならぬように色々引き締めないと…。
一応造形職人として活動をしていると、いろんな方々にセンスがいいから出来るわーとか
才能があるからーとか言って頂けます。
それはすごく光栄な事です。
しかし私の持論では、「才能は与えられるもの、センスは磨くもの」
だと思います。
思い出すと職人の世界に入って2年目の頃。当時の会社の先輩が職人さんに細ちゃんは
ホントセンス良くて器用だよね、って聞きました。
その時職人さんは、「いや細江君は起用じゃないよ。不器用だしセンスがある方ではないな」って。
普通なら悔しいと思うのでしょうが、僕は嬉しかった。
なんか、ホントの自分を見てくれている気がしたから。
正直才能は無いと思います。ただ、小さい頃から父の仕事に日曜日についていくのが
日課でこの業界へ全く抵抗無く入りました。
いつか必ず父と兄と一緒に仕事するんだろうなって。中学生の時の職業体験でも120人くらいの同級生で
1人だけ建設業へ(笑)しかも上原土建(笑)
玉石の目地を手をふやかしながらやり、鋼製型枠を油まみれになってケレンしてサンダーがけ。
でもほんとに楽しかった。
自分の今の状況は生きてきた環境が育ててくれたんでは無いかと感じます。
先のブログでも言いましたが、本当に現場作業が好き。
世間では3K何て言って、「きつい・汚い・危険」と言われて敬遠される仕事。
決して所得も大きいわけではないし。
ただ、造った物が残る、世界に1つ。その魅力は他の仕事に負けない素晴らしさ。
技術さえあれば、場所も環境も関係ないし、下手すると国も越えて出来ます。
定年も無いし、仮に70歳まで働くならまだ40年近くあるもんな。
僕は生きてきた過程でこの仕事に就く事が出来ました。
これからの使命は必ずくる5年後10年後の職人不足。
その時に少しでも解消できるように仕事の仲間や後輩の職人を育てる事。
自分が父や兄、今まで出会ったたくさんの職人さんから育てていただいたように。
夢は50歳、60歳になってもデニム履いてタオル巻いて洒落た壁を造ってるオッサンになること。
その為にセンスをもっと磨かないとね。
6月の銀座にて。この格好で仕事してたら他の造形職人さんに
ほっちゃんADみたい。って言われました。
AD細江です。